①恋
これははるか昔から芸術作品とは切っても切れない繋がりの
ある永遠のテーマだ。
映画にしろ音楽にしろ絵画にしろ、何百年前から人類は恋をし、それを様々な形で表現してきた。
「恋する惑星」に関してはほぼ全曲で恋愛について歌っている。
「コンビニ」ではコンビニ店員さんに恋をしたり、「マジックペンと君の名前」では“早く苗字をくださいな”と可愛らしい表現で愛を歌っている。
「ホームシックナイトホームシックブルース」では唯一、実家から出て独り立ちしようとしている女性が描かれているが
「恋人よ 会いたいなんて嘘だから手紙はいらないよ」と出てくる。
それからの全てのアルバムにも恋愛が絡んだ曲が必ず収録されている。
ただ筆者が思うに、「よくある恋愛ソング」ではなく、恋愛ありきの((生活))に重点を置いて心情が描かれていると感じる。
秀逸な表現はたくさんあるが、アルバム「燦々」では特に詩的で素敵なものが多いと感じる。
例えば、「セゾン」という曲では
“いろんな話をしてきたね やっと落ち着いてきたよやっと今”からはじまる。
長くを共にした男女が落ち着きを覚え、無言でなにも起こらない部屋でもやけに落ち着く情景がとてもリアルに歌われている。
”多分これからも続いてく テーブルの上 雑に置かれた財布と鍵“で同棲していることが読み取れる細かさだ。
このリアルな情景を絡ませ、飾らない心情をうまく表現しているのもカネコアヤノ特徴であり人気の理由の一つだと思う。